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『4つの問い』で思い込みに気づく

たった一つの問いを投げかけられたことで、考えてもみなかった答えが自分の中にあることに気づいたことはないでしょうか。そうした問いの例として、「すべて可能だとしたら、どうしたいですか?」という問いがあります。こうした問いは、無意識に制限をかけて見えなくなっている、本当の自分の答え(本当は〇〇をやってみたい等)に気づくのに有効です。その結果、純粋な自分の気持ちに気づき、思い切ってやってみた、という人は、少なくないものです。本当に良い問いに巡り合えた時、私たちは、人生を変えることができるといっても過言ではありません。

The work by Byron Katie(バイロン・ケイティのワーク)というコンセプトを聞いたことはありますか。Byron Katieは、私たちが人間関係に悩んだり、自分が前に進めなくなったり、何らかの問題に直面した時、4つの問いを自分に問いかけてみることを推奨しています。そのプロセスによって、時に自分が真実だと思い込んでいる無意識の思い込みに気づくことがあります。彼女はそれをMeditation Practice(瞑想的なプラクティス)と呼び、一つひとつの問いとゆっくり向き合い、深く自分の答えに耳を澄ますことを勧めています。

4つの問いとは、次の通りです。
1. それは本当でしょうか?〔はい/いいえ〕
(答えが 「いいえ」であれば、3.に進んで下さい。)
2. その考えが本当であると、絶対言い切れますか? 〔はい/いいえ〕
3. そう考えるとき、あなたはどのように反応しますか? 何が起きますか?
4. その考えがなければ、あなたはどうなりますか?

この4つの問いによって、自分の思い込みに気づくことができた人の例をご紹介しましょう。ある女性は、自分のビジネスパートナーは間違っていて変わるべきだ、と強く思っており、相手がなかなか変わらないことに長く悩んでいました。このことで苦しんでいたその女性は、試しに、Byron Katieの4つの問いを自分に投げかけてみることにします。“相手は間違っている”という自分の考えについて、1の問い「それは本当でしょうか?」を感じてみると、答えは疑いもなく「はい」でした。そこで、2の問いに進みます。2の「その考えが本当であると、絶対言い切れますか?」という問いかけは、もう一度、その答えが本当に正しいのか、自分の心の声に奥深く耳を傾けることを促す問いかけです。この2つ目の問いを、時間をかけてゆっくりと自分の内側に投げかけてみると、その女性は、自分が信じていたこと(相手は間違っている)が、絶対とは言い切れないことに気づきます。これまで気づかなかった相手の状況や、すっかり忘れていた相手の過去の発言などが思い出され、「はい」とは言いきれない、と感じるに至ったのです。次の3の問い「そう考えるとき、あなたはどのように反応しますか?」は、これまで“相手は間違っている”と強く思うことで、いかに自分が苦しんできたのか、という気づきを与えてくれました。4の「その考えがなければ、あなたはどうなりますか?」の問いによって、その考えがなければどれだけ自分は自由でいられるのか、知ることになったのです。

この例は、当然、誰にでも当てはまるものではないでしょう。私たちは、どんなに問いの力を借りても、何をしても、八方塞がりだと感じることがあるものです。また、頭ではわかっていても、感情がついてこない、という時もあるでしょう。それでもByron Katieが推奨するこの瞑想的なプラクティスによって、ほんのわずかであっても自分の思い込みに気づくことができる可能性はゼロとはいえません。わずかな変化でも体験できたとしたら、それは、新しい道筋への兆しとなるかもしれません。時に、問いは、私たちの内側の未知の領域にある可能性を見せてくれることがあります。Byron Katieの4つの問いを、自分の中にある深い部分に投げかけ、耳を澄ませることを、自分の日常に取り入れてみませんか。そして、自分が無意識にもっていた思い込みに気づき、より自由な思考にシフトするきっかけにしてみませんか。