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『カードゲーム』でリーダーの幅と視野を広げる

先日、カード32枚を使い、リーダーの幅と視野を広げるための企業研修をさせていただきました。その報告と学びを共有させていただこうと思います。

組織で働くリーダーの方は、今、どのような課題・悩みをもっていらっしゃるのでしょうか。時代の変化と共に、組織変革に迫られ、さまざまな決断・調整に追われているという方も少なくないのではないでしょうか。結果として、これまで以上に忙しく、心身共に疲れ果てている方もいらっしゃるかもしれません。あるいは、多様性の尊重がうたわれる今、自分とは全く異なる価値観を持つメンバーと、いかに協働していくのか、そのことに難しさを感じている方もいらっしゃるでしょう。更には、先が読めない今、改めてこれから自分がやりたいことは何なのか、また自分はどんな存在価値があるのか、といった本質的な問いをもって過ごしていらっしゃる方も、ここのところたくさんお見受けします。

いずれにしても、これまでのやり方で進んでいくことが正しいのか、という問いをもちながら仕事をしていらっしゃるリーダーの方が増えているように感じています。つまり、自分の幅と視野を広げ、これまで考えたことのない視点で物事をみたり、パターン化している自分のスタイルを見直し、別の要素を自分の中に見いだし、幅を広げる必要性を感じている方が、多くいらっしゃるようです。

けれども、一口に幅と視野を広げる、というのは、簡単なことではありません。それはある意味、自分のこれまでの成功パターンを手放すようなプロセスも伴うからです。今回実施させていただいた研修では、32枚のカードを使って、こうしたプロセスを支援する、というものでした。32枚のカードは、「決断する」「導く」など、仕事をする上で欠かせない動のエネルギーを表すものが16枚。そして、「ゆだねる」「受容する」「直感的に感じ取る」など、静のエネルギーを表すものが16枚。これら32枚のカードを眺め、自分はこれまでどのようなエネルギーを使って成功してきたのか、それを表すカードを一枚選び、これまでの自分を理解・受容することに臨みます。また、これから幅・視野を広げるためには、新たなにどのようなエネルギーを更に磨いてゆくとよいのか、それを示すカードをもう一枚選び、これからの自分の可能性を探求します。この2枚のカードを使って対話を繰り返し、新たなる自分のリーダーシップについて、幅や視野を広げて思いを巡らせていただくのです。

このプロセスを経たリーダーの方々からは、「自分が考えたこともなかった視点で自分のリーダーシップの幅を広げられるヒントを得た」「自分が開発してゆきたい要素は、実は自分の中に既にあるものだった」などのコメントをいただいたことが、印象的でした。

この研修を通じて学んだこと―。それは、予測不能な今という時代に、リーダーの方々は、新しい視野や幅を広げるヒントを強く望まれているということです。また、こうした自己変容を支援させていただく際、これまでの自分のやり方を全否定するのではなく、自己肯定した場所に一旦立つ、ということが大切だと改めて感じました。自分を根こそぎ変えなければならないという厳しい発想から離れ、今の自分の成功の裏にある自分の努力や強みをしっかり認知することができて始めて、変容への土台ができ、次へのステップを考えられるのではないかと思います。更には、視野や幅を広げるためには、これまで考えたこともなかった視点を取り入れて、未知の領域を探求するプロセスを楽しむことも、大事ではないかと思います。より多くのリーダーの方が、これまでの自分を受容しつつ、新たな自分へと変容し、更に活躍されることを祈っています。