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大切なのは「Why」と「Who」の問い

2023年、皆さんはどんな年にしたいですか?

年初に目標を立てる人は少なくありません。今年こそ、自分が昔からやりたかったプロジェクトを仲間と共に立ち上げる。自給自足の暮らしを始める。次のキャリアに挑戦する。昔から持っていた願いを実現する決意をされる方は、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そして、その実現に向けて、行動を起こしてゆくことは、とても素晴らしいことだと思います。

同時に、こうした現実の世界で何かを達成する、という目標には、落とし穴があるようにも思います。時に私たちは、何かを達成するという目に見える目標が第一優先となってしまい、自分の心や身体を犠牲にして疲れ果ててしまう、ということがあります。それが度を超すと、達成しなければ十分ではない、といった欠乏感が生まれ、いつの間にか、それを埋めるための努力になってしまうこともあります。また、達成できなかった際、落胆する気持ちが大きいのは言うまでもありません。

では、現実の世界を大切にしつつも、それだけに振り回されないよう、どのように目標を立てていったらよいのでしょうか。ひと昔前ですが、Start with Whyという本の著者、サイモン・シネックの提案は有名です。彼によると、偉大なリーダーは、What(何を)ではなくWhy(なぜ)から始めるというのです。例えば、アップル社は常に、何を売るかではなく、何のために会社が存在しているのか(現状を変えて違いを創る)を初めに伝えるため、多くの人は心を奪われると—。これは私たち一人ひとりの目標設定にも当てはまるのではないでしょうか。なぜそのプロジェクトを立ち上げたいのか、なぜそのポジションに就きたいのか。これは単にお金や名声を得たいという外側の目的ではなく、高い次元で自分の目的意識とつながって考える必要がある深い問いです。これを考えることで結果に拘りつつも、より長い目で物事を捉えることができ、短期的な欠乏感に翻弄されることが減るかもしれません。また、実現のプロセスで、人の心を掴んで協力者を得ることにもつながる可能性も高まるでしょう。

更に今、時代は変化しています。これからは風の時代、あるいは心の時代とも言われる中、これまで以上に必要なのはWhyに加え、Whoという問いではないでしょうか。すなわち、自分は誰であるのか、誰でありたいのか、という問いです。先の見えない時代に、現実が一瞬で変わるかもしれない時代です。だからこそ、外側で何が起こったとしても、自分のあり方が定まっていると心強いものです。全員を支える自分である、足るを知る自分である、プロセスを楽しむ自分である、など―。このWho(誰である)が加わることで、現実で起こることに翻弄されず、揺るがない自分でいられ、心を犠牲にすることも減るのではないかと思います。もちろん、変化の時代だからこそ、誰でありたいかは、状況とともに柔軟に変えてよい、むしろ変えることが必須だと言えるでしょう。

先が見えない、常に変わりゆく時代に、私たちが願う現実を創ることは大切なことだと思います。それに加え、何のために実現し、自分が誰であるのかを探求して、今年の目標としてみるのはいかがでしょうか。