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教えることが成長を加速する

時代の変化も手伝って、さらに自分を成長させ、新しいステージで活躍したいと願う人が増えているように思います。皆さんは、いかがでしょうか。

ではどのようにしたら、自分の成長を実感し、自信をもって新たなステージで活躍できるのでしょうか。伸ばしたい能力を磨くために本を読んだり、スクールに通ったり、誰かの支援を受けてコツコツと努力すること—。それも大切な一歩だと思います。ここでは、もう一つのやり方である、あえて伸ばしたい能力について「人に教えてみる」ということについて触れてみたいと思います。

先日、環太平洋大学で3日間の集中講義「ライフコーチング」を実施しました。この授業では、ツイン・エネルギーという新しいコンセプトを使ったコーチングのスキルやあり方を実践的に学んでゆきます。そして最終日には、2日間で学んだことを、コーチングを全く知らない人に教えてみる、という課題に臨みます。4~5名のチームに分かれ、あるテーマ(オープンクエスチョン等)を一つ選び、そのテーマについて、チームで協力しながら初心者にわかりやすく教えるのです。ここでは、テーマについて正確な情報を伝えること、クリエイティブに考えて相手の心を惹きつけること、などが必要となってきます。

学んだばかりのコンセプトを教えなければならないと聞いた学生達は、どのように反応したでしょう。こちらの心配をよそに、楽しそうに準備に取りかかった姿がとても印象的でした。もう一度テキストを読み直したり、クリエイティブにアイデアを交換しあったりしながら、考えをまとめていっているようでした。そして、結果はどうだったのか―。どのチームも、期待を超えるようなレベルでコーチングを教えてくれました。もちろん完全ではありません。けれども時にはこちらが次回は使ってみたいと思うような説明やエクササイズを盛り込んでくれていたのです。そして何よりも、学ぶ生徒であった学生が、教える側に立つことで、そのテーマについてより深く学びを深め、自信をつけたことは間違いないはずです。

このことから、皆さんは、どのようなことに気づきますか?自分の強みを更に磨くために、人に教えるという手法は、組織の中でよく聞くやり方だと思います。ですが、今回のように、強みではなくとも、わかったことを人に教えてみる・共有してみるという体験は、確実に、人の学びと成長を加速させることを示唆しています。そのためには、知っていることを学び直し、自分なりに言語化し、工夫して伝えられるようにならなければならないからです。もちろん、不安や間違えてしまう恐れもでてくるかもしれません。同時に、うまくできないからこそ、そのテーマについての奥深さや難しさについても教えることができるものです。状況にもよりますが、学びのプロセスであることをシェアしながら、学んでいることを人に教えることは、自分にも相手にも価値があることではないでしょうか。

皆さんが、今、一番伸ばしたいと思っている能力、やりたいけどまだまだだと思っていることがあるとしたら、もっと学ぼうではなく、ここまでわかっていることを他の人に教えてみよう、と発想を変えてみるのはいかがでしょうか。そのことによって、思った以上に、成長が加速するのではないかと思います。