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パワーポーズがつくる自信

自信がない時、それをどう克服したらよいのでしょう。「ボディランゲージが人をつくる」というエイミー・カディによるTedの動画をご覧になったことがあるでしょうか。エイミー・カディとは、アメリカの社会心理学者です。この動画で彼女は、いかに私たちの感情や考えが、ボディランゲージ(非言語)に影響を受けるのか、様々な研究結果とともに語っています。その上で、ボディランゲージを変えることで、私たちはありたい状態に近づくことができると伝えているのです。

ストレスの高い状況の中で、自信が持てず、身体が縮こまり、うつむき加減になってしまうことを、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。もしかすると、それが習慣化し、いつも無力感をもつ姿勢や立ち姿をしている可能性もあります。

これに対し、エイミー・カディは、パワーポーズという姿勢の価値を伝えています。パワーポーズとは、パワーを感じられる姿勢のことで、例えば、胸をはって両手を高くあげる、足を開いて手を腰にあてるなどがあります。彼女の研究によると、パワーポーズと呼ばれる姿勢をストレスの高い状況(例えば面接など)の直前に2分間とることで、パワーポーズをしなかった時よりも、自分の気持ちのみならず、相手にも好印象をもたらすことができ、良い結果を残す確率が高まるというのです。彼女は、私たちに語りかけます。ストレスのかかる状況の直前に、自分のパワーポーズをトイレの中などで2分間してみてください。そのことで自分の気持ちが好転し、良いインパクトを生む可能性が高まるはずだと―。

皆さんは、エイミー・カディの主張についてどのような感想をもたれるでしょう。そんな簡単なことで自分の気持ちや、人に与える印象まで変わるはずはない、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。また、身体によるアプローチは一時的な変化はつくれても、内側のアプローチ(自分を根本から見つめ直すなど)や経験を重ねないと、真の自信はもてるようにならないと思う方もいらっしゃるかもしれません。

そうかもしれません。同時に、この手法を試してみる価値も大いにあるのではないでしょうか。今の自分に自信をもつために、様々な試みをしてきた方はたくさんいらっしゃるはずです。結果として、いろいろやったけれど難しかった、あるいは、その時は自信をもてたけれど、また時間が経つと元に戻ってしまうという方もいるかもしれません。パワーポーズを試してみるのは、ほんのわずかな時間でできることです。何よりも、その効果が研究結果から明らかになっているため、実験だと思って試してみませんか。

思い返してみると、私自身(関京子)、自分なりのパワーポーズで自信を取り戻した体験をしています。初めて講師として登壇した時、経験不足から緊張し、自信がもてない自分がいました。その後、わざと落ち着いたようにゆったりと歩き、ゆっくり話すことを意識したことを覚えています。また胸をはって立ち、自分の身体を大きく感じるように意識したこともあります。もちろん内容の準備や経験を積んだこともありますが、ボディランゲージを変えたことは、明らかに心の変化をもたらし、いつのまにか、そんなことを意識する必要なく、落ち着いた気持ちで登壇できるようになっていったように思います。

エイミー・カディは、Fake it ‘til you become it (本物になるまでフリでいい)、と言っています。初めはフリであっても続けていくと、本当にそのような自分になる日がくるというメッセージです。自分のパワーポーズを考えてみることから始めるのはいかがでしょうか。クリエイティブに、遊び心をもって考えてみると、どんなポーズになりますか。そのポーズを緊張する場面で試してみる、あるいはその前にトイレでこっそり2分間やってみることにトライしませんか。自分の気持ちにどんな変化があるのか、そして周囲の反応がどう変わるのか、気づいてみてください。しばらくすると、自信あふれる新しい自分に出逢う日が訪れるかもしれません。