若い世代へつなぐ:ツイン・エネルギーとコーチング
環太平洋大学(IPU)で、ツイン・エネルギーを使った「ライフコーチング」という3日間の集中講義を実施しました。今回の体験から、若い世代の人達がコーチングを学ぶ意義を再認識することができました。またツイン・エネルギーがコーチング教育にどう役立つのか、学びのある時間となったので、その共有をさせていただこうと思います。
まず若い世代がコーチングを学ぶことについて―。これは、コーチを養成する機関で働いていた時代から感じていたことですが、若い世代(10代20代)の中には、驚くほど人の話を深く聴き、その奥にある思いをくみ取り、相手にとってためになる深い問いを投げかけることが出来る人達がいます。その質の高さは大人顔負けで、正にナチュラルコーチとしてプロのように相手を支援できる人達がいるのです。純粋な気持ちで人に好奇心を向けられるからかもしれません。また世代の特徴として、心の繊細さ・敏感さを兼ね備えているからかもしれません。もちろん世代をひとくくりにすることはできませんが、今回の環太平洋大学の学生達への講義を通じて、このことは改めて実感したことです。
そんな彼らですが、コロナ禍による人とのリアルな交流の制限によって、「深い対話をする」機会が少なくなっています。更にネットによる情報過多な環境も手伝って、自分自身の心の内側をゆっくり見つめる機会が少なくなっていることも推測されます。今は、不安や無力感を感じやすい時期と言えます。そんな時だからこそ、「コーチング」という枠組みの中で、人の話を深く聴いたり、自分と向き合ったりすることは、人間関係の基礎を学ぶ時期にある若い世代にとって、これまで以上に大切ではないかと感じました。今回の講義を受けた学生からも「こんなに深く人の話を聞いたの初めてだった」「もっと学びたいと思った」といった感想をいただきました。彼らがもともと持つ力を磨くためにも、またコロナ禍だからこそ、コーチングを学ぶ意義を知る体験となったのです。
もう一つの学びはツイン・エネルギーをコーチング教育に活かす大切さです。コーチングを学ぶ手段はたくさんありますが、今回は、書籍「ツイン・エネルギー®」を教科書にしてコーチングを教える初の試みでした。このことでコーチング教育とツイン・エネルギーの接点を改めて学ぶことになったのです。コーチングには「人はもともと完全(Whole)で答えをみつける力をもっている」という考え方がありますが、ツイン・エネルギーはその完全(Whole)な力を取り戻すことに、直接働きかけることができる手法だと感じることができました。ツイン・エネルギーは、誰もがもつ静と動の根源的な二つのエネルギーです。私たちは無意識にどちらか一方に偏って活用していることが多いため、その両方の大切さを学ぶことは、もともと自分が持つすべてのチカラの回復につながるからです。今回、環太平洋大学の学生にツイン・エネルギーを紹介し、以前よりも自分の軸を認識できたり、自信を取り戻したりすることができた学生が少なからずいたのではないかと感じています。若いうちからツイン・エネルギーを知り、自分の内にあるすべてのチカラを知って活用することは大切だと実感しました。
若い世代の人達にコーチングを伝えること。そしてコーチング教育の中でツイン・エネルギーを活用すること―。これらの試みは、まだ始まったばかりですが、そのニーズの大きさからも、今後力を入れてみたいと思う体験でした。