世界が集うIDGs国際サミットに参加して
皆さんは、IDGs(Inner Development Goals・内面の成長目標)のことをご存じでしょうか。国連サミットで採択された人類共通の課題解決の指針であるSDGs(持続可能な開発目標)のことは、ご存知のことと思います。長年、このSDGs達成に向けた多くの取り組みにもかかわらず、本質的な変化には至っていないという多くの声の元、様々な調査を経て生まれたのが、IDGsです。人類共通の課題解決には、人間の「内面の成長」――つまり、心の成熟や意識の変容が欠かせないという考えから生まれたのが、IDGsなのです。
IDGsをもっと知ってみたいという気持ちから、10月にストックホルムで開催されたIDGsの国際サミットに参加してきました。約800人近い参加者からなるサミットで感じたことは、IDGsの活動は、世界ですでにムーブメントになりつつあるということです。このIDGsを支援する有識者、ピーターセンゲ、オットーシャーマン、ロバートキーガンそれぞれが見解をだし、このムーブメントを後押しています。人類共通の課題に取り組むためには、目に見える次元での取り組み・活動のみならず、私たち一人ひとりが、内面の成長に取り組むことが極めて大事であるというサミットでのメッセージは、今という時代に生きる私たちにとって大事な視点ではないかと感じています。このブログでは、IDGsをまだ知らない方々に向け、IDGsとは何か、その核となる5つのカテゴリーをご紹介したいと思います。その上で、サミットでとりわけ重要だと感じたカテゴリー「Beingあり方・自分との関係性」について感じたことを書いてみたいと思います。
まず、IDGsでは、下記5つのカテゴリーについて、私たちが内面の成長を遂げてゆくことが大切であると伝えています。
- Being(自分のあり方):自己との関係性を深め、内面の安定を育む
- Thinking(考える):複雑な課題に向き合う認知力を高める
- Relating(つながりを意識する):他者や自然とのつながり・思いやりを育む
- Collaborating(協働する):共通の目的に向かって協力する
- Acting(行動する):意図を持って変化を起こす
これら5つのカテゴリーには、合計25のスキルがあります(2025年11月最新版)。

出典:IDGsウエブサイト
5つのカテゴリーのうち、皆さんが今、一番取り組みたいと感じるものは、どれでしょうか。国際サミットでは、こうした概念を更に深く学ぶために、6つの分科会に分かれて探求が行われていました。その中で、「変化する世界における企業サステナビリティのリーダーシップ」という分科会でのリーダー達の発言には学ぶものがありました。パネルディスカッションに参加された組織のCEO方々の多くが、IDGsのカテゴリーの中で「Being自分のあり方・自分との関係」が一番重要であると述べられていたのです。自分と従業員の内なる幸福感を高める文化をつくることで、組織は飛躍的に発展した。一番大事なことはありのままの自分を受け入れ自分と健全な関係をしっかり築くこと―それがリーダ―としての影響力につながった。他者を変えようとするのではなく、ご自身の内的成長に向けて、まずは自分との関係を強める努力をした。これらの体験談は、とても心に響くお話でした。
私たちが、どのような立場・状況にあれ、自分との関係を育てることは、あらゆる面で私たちにメリットをもたらしてくれるのではないでしょうか。人によってそれは、自分のことをもっと知るということかもしれません。毎日、自分自身に感謝できることを一つ見つけることかもしれません。やるべきことばかりに目を向けるのではなく、どんなあり方で今日一日いたいのか、自分に問いかけることかもしれません。日々の小さな行いが、自分との関係を育み、ありのままの自分を受け入れられたり、自分を今以上に信頼できるようになったり、引いては自分の可能性をもっと発揮できるようになることにつながるのではないでしょうか。そのことのよって、自分の人生もそして世界も違って見えるかもしれません。それは、今となっては、自分ひとりのことではなく、他者への思いやりにつながったり、リーダーシップに発展したり、IDGsのいう、人類課題の解決への貢献にもどこかでつながってゆくのではないでしょうか。皆さんは、ご自身の内面の成長のために、どんな一歩を踏み出したいですか?小さな気づきや行動が、やがて大きな変化につながるかもしれません。その第一歩を、今日から始めてみませんか。